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2020年度第12回電制研ゼミ開催!

12/3の卒研の時間に,今年度の第12回電制研ゼミを行いました!

第12回目は木原さん!今年度の書籍は電気学会・半導体電力変換システム調査専門委員会が編纂した「パワーエレクトロニクス回路」を元に資料を作成してくれました。今年度最後の電制研ゼミとなります!

12回目の発表は前回と同様に共振型コンバータについて説明を行ってもらいました。今回説明してくれたのは「負荷共振方式」と「共振リンク方式」についてです。

負荷共振方式は自励式インバータ回路の交流出力端子に共振回路を接続した方式となっており,電圧型インバータでは「直列共振回路」,電流型インバータでは「並列共振回路」を接続させます。そして,DC-DCコンバータとして構成するばあいは整流回路と平滑回路(電圧型:キャパシタインプット,電流型:チョークインプット)を共振回路に接続させることで構成されます。簡単な構成例として以下のものがあります。

  • バッテリ(DC)⇒ハーフ/フルブリッジインバータ(DC-AC)⇒直/並列LC共振(AC-AC)⇒全波整流用ダイオードブリッジ(AC-DC)⇒負荷(DC)

ここで,インバータから先の接続を全て「インバータの負荷」と見立てることで,インバータの駆動周波数 f と共振周波数 fr との関係で動作をモード分けすることができます。また,一般的なインバータ回路はPWM駆動を行うことで正弦波を生成しますが,共振が生じる領域内でインバータの駆動周波数を合わせると,共振回路に生じる電流と電圧が正弦波に近づきます。そのため,ソフトスイッチングを行う場合はPWM駆動ではなく,デューティー比を50%固定にし,スイッチング周波数を変化させるPFM方式が用いられます。

共振リンク方式は「共振ACリンク方式」と「共振DCリンク方式」に更に分けられます。共振ACリンク方式は高周波交流のリンク部に共振回路を,共振DCリンク方式はインバータの直流部に共振回路を挿入する方式となっております。共振回路をACリンク部に挿入する場合はAC入力⇒共振回路⇒AC出力,DCリンク部に挿入する場合はDC入力⇒共振回路⇒DC出力となります。共振ACリンク方式の回路例(インバータ)は以下のとおりです。

  • バッテリ(DC)⇒ハーフ/フルブリッジインバータ(DC-AC)⇒直/並列LC共振(AC-AC)⇒高周波トランス(AC-AC)⇒高周波マトリックスコンバータ+ローパスフィルタ(AC-AC)⇒負荷(AC)

同様に,共振DCリンク方式の回路例(インバータ)は以下のとおりです。

  • バッテリ(DC)⇒DC共振リンク回路(DC-DC)⇒インバータ(DC-AC)⇒負荷(AC)

様々な回路方式や応用例があるのですが,素子点数が多くなったり共振動作を詳細に追っていくなどけっこう大変な回路になりそうですね…。

難しい範囲ながら頑張って発表してくれました!お疲れ様!


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