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奈良高専での研究セミナーに参加!(第7回)
9/3(日)に奈良工業高等専門学校で開催された「パワーエレクトロニクス技術に関する人材育成事業の展開/スイッチング電力変換機器の開発」の「ベーシックコース」の第7回に参加させていただきました!今回は本研究室の上田と安井を連れてセミナー設営のお手伝いをさせていただきました。
今回は石飛先生の説明から講座が開始されました。今回からIHインバータ(Induction Heating Inverter)の設計・製作・評価に移ります。IHインバータはその名の通り,電磁誘導によって生じる誘導電流を利用して過熱を行う装置であり,その熱は電磁誘導によって誘起された渦電流と金属の電気抵抗によって生じる渦電流損や交番磁束が底板の磁性体に生じさせるヒステリシス損となります。この二つの損失に関しては誘導機や変圧器などを取り扱っている電気機器の科目の中にもありますが,本来は損失として取り扱っていたものを使用するので,少し違和感があるかもしれませんね。
「本セミナーはSEPP(Single Ended Push-Pull)回路を用いてIHインバータを設計・製作し,最終的にはIHクッカーと同様の原理で自販機の缶コーヒーの加熱装置を作って,皆さんでホットコーヒーを飲みましょう!」という石飛先生からの投げかけがありました。
IH装置に求められる性能や具体例については東京海洋大学の木船先生の公聴会資料を用いて詳しく説明されました。実は木船先生と石飛先生,そして私の恩師である名古屋大学の山本先生は全員山口大学の同じ研究室の所属なのですね。当時山口大学で教鞭を振るわれていた中岡睦雄先生のお弟子さんに当たります。
上の図にあるペットボトルに巻いている線がSEPP回路のLに相当します。回路のRは巻線抵抗や加熱時に生じる熱を表す抵抗でしょうか。このLを適切に設計することでソフトスイッチングをさせながら誘導加熱を行うことが出来ます。この測定には石飛研究室の設備で行われました。
特に,左の装置であるZGA5290はインピーダンス/ゲイン・フェーズアナライザといって,非常に高い周波数までインピーダンスやループ特性を測定することが出来ます。
今回は実験実習が主で,皆さん思い思いにペットポトルに巻いたインダクタを測定したり,SEPP回路の動作を確認するためにPSIMを用いてシミュレーションをかけられていました。うちの学生達もあのインダクタンス値でいいのか?巻数はどうしよう?とか様々な事をお互いに話し合いながら製作に臨んでいました。
今回のセミナーの詳細は下記リンクの方にございますので,そちらをご覧ください。