新着情報

category

2021年度第08回電制研ゼミ開催!

7/5の卒研の時間に,今年度の第08回電制研ゼミを行いました!

今年度のゼミのテーマは「電磁気学」になります。川上は電気回路やパワーエレクトロニクスの範囲は講義担当してますが,電磁気学はかなり忘れている部分もあったため,今年度の卒研生にお願いしました。このゼミで内容を理解して,研究室webページの講義資料の追加ができればいいですね!

今年度は培風館の「電磁気学ー初めて学ぶ人のために」を元に資料を作成してくれました。電磁気学の名著に砂川重信先生の「理論電磁気学」があります。この理論電磁気学は初学者には薦められないのですが,砂川先生が初学者にむけた本が今回のゼミの書籍になります(ただしページ数は少ないのに内容はかなり濃い…)。

第8回目は松本君!今回の発表は「電流・インダクタンス」についてでした。今回は松本君はかなり張り切ってスライドを作ってくれたようで,長い内容を8スライドにまとめてくれました!

アンペールの法則は電流とその周りにできる磁場との関係を表す法則であり,ビオ・サヴァールの法則と本質的には同じです。別名をアンペールの周回積分の法則とも言います。

  • ビオ・サヴァールの法則:電流 が流れている導体の微小部分 dl が作る磁界の強さ dH を表した法則
  • アンペールの法則:電流とその周囲にできる磁場との関係を表した法則

ビオ・サヴァールの法則では導体の微小部分で磁界の強さを表しているため,電流が流れる経路全体で積分を行う必要がありますが,自由度が高く,応用がしやすい法則と言えます。

その一方で,アンペールの法則は円や長方形などの閉じた図形に沿って磁場が一定である(静磁場)であるときに有効です。直線電流などはアンペールの法則を用いると計算がしやすいです。

分かり易いリンク:http://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/p/elec/ryuujiba/ryuujiba_ho.html

ここで,平行平板キャパシタ(コンデンサ)に電流を流すことでキャパシタが充放電しますが,キャパシタに挿入される誘電体は絶縁体でもあり,電流が流れません。そのため,平行平板キャパシタ中においてアンペールの法則を適用した際に矛盾が発生してしまいます。

そこで,キャパシタの内部には電流が無い代わりに,両極板上の電荷が作る電場はあります。そして,この電場は電荷量の増減に応じて変化するとして,変位電流(電束電流)を導入します。この変位電流を導入したのが古典電磁気学を確立させたとされるジェームズ・クラーク・マクスウェルであり,変位電流を導入したことでアンペールの法則の矛盾が解消されたため,変位電流を導入したアンペールの法則をアンペール・マクスウェルの法則と言います。

この辺りは高専時代にあまり理解してこなかったところだったので,非常に新鮮でした!

ブログでは説明しなかった自己インダクタンス・相互インダクタンスに関して詳しいリンクはこちら(Electrical Informationさん)

 


本研究室のご支援をご検討されている方は下記リンクをご参照ください。