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2022年度第09回電制研ゼミ開催!

7/19の卒研の時間に,今年度の第09回電制研ゼミを行いました!

今年度のゼミのテーマは「電子回路」になります。川上は電気回路やパワーエレクトロニクスの範囲は講義担当してますが,電子回路はまさに電気回路からパワーエレクトロニクスへの橋渡しも兼ねた重要な分野になります。

第9回目は相澤君!今年度はオーム社の「等価回路でしっかり理解!詳解 電子回路:アナログ回路の基礎からデジタル回路入門まで」を元に資料を作成してくれました。図が多く,非常に分かり易い本でありながら,かなり深い部分まで説明してくれる良書です。

第9回目の発表は「発振回路(帰還型)」についてでした。もう早くも3周目に突入し,中間報告会前には各自4回程プレゼンの練習をこなしたことになります。非常に力の付く一石多鳥なトレーニングです!

発振回路は分類の仕方によって様々です。

  1. エネルギーの供給方法による分類
    1. 正帰還発振回路:正帰還を用いてエネルギー供給する方式
    2. 負性抵抗発振回路:負性抵抗を利用してエネルギー供給する方式
  2. 出力波形による分類
    1. 正弦波発振回路:正弦波振動を生じさせる方式
    2. 弛張発振回路:矩形波や三角波などの非正弦波振動を生じさせる方式
  3. 発振周波数の設定方式による分類
    1. CR発振回路:キャパシタCと抵抗Rで周波数を設定する方式
    2. LC発振回路:インダクタLとキャパシタCで周波数を設定する方式
    3. 水晶発振回路:水晶発振子の振動周波数により周波数を設定する方式
    4. リング発振回路:リング型に接続した素子の遅延時間により周波数を設定する方式

制御工学において発振は嫌われる要素ですが,電子回路においては非常に重要な役割を果たします。というのも,制御工学においては「負帰還(ネガティブ・フィードバック)」において安定収束することを目標としますが,電子回路においては「正帰還(ポジティブ・フィードバック)」を用いて一定の周波数を作り出す必要があるからです。

また,負性抵抗という負の値を持つ抵抗を利用する場合もありますが,抵抗の値が負というわけではありません。電流(縦軸)と電圧(横軸)の関係は第一象限にあるのですが,あるタイミングで電圧を上昇したら電流が下がる(抵抗値が上がる)特性を有しています。この場合,第4象限にあるのと同様の状態になります。この状態を利用して発振回路として駆動させる方式もあります。

この発振回路はディジタル回路においても非常な重要な要素ですので,しっかりと理解しておきたいですね!

 


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