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2021年度第04回電制研ゼミ開催!

5/25の卒研の時間に,今年度の第04回電制研ゼミを行いました!

今年度のゼミのテーマは「電磁気学」になります。川上は電気回路やパワーエレクトロニクスの範囲は講義担当してますが,電磁気学はかなり忘れている部分もあったため,今年度の卒研生にお願いしました。このゼミで内容を理解して,研究室webページの講義資料の追加ができればいいですね!

今年度は培風館の「電磁気学ー初めて学ぶ人のために」を元に資料を作成してくれました。電磁気学の名著に砂川重信先生の「理論電磁気学」があります。この理論電磁気学は初学者には薦められないのですが,砂川先生が初学者にむけた本が今回のゼミの書籍になります(ただしページ数は少ないのに内容はかなり濃い…)。

第4回目は岡田君!今回の発表は「コンデンサ(キャパシタ)」についてでした。これで卒研生3名が全員一度は研究室ゼミを発表したことになります。4回目ということもあり,発表スライドも洗練されてきました。

電磁気学の講義は一般的に通年で2年間が開講されており,ゼミのペースは約4倍!発表後の質疑応答に関しては,後々の講義への展開なども想定しているため,矛盾がないか質問やアドバイスなどをかなり行いました。長時間お疲れ様!

キャパシタコンデンサ)は電荷を蓄積させる素子であり,インダクタと同じエネルギー蓄積素子であるともいえます。電気回路における三大線形素子(R,L,C)でもありますね。

キャパシタにおける電荷を蓄積できる容量のことを静電容量(電気容量)といいます。電気回路などの講義においては直列接続や並列接続による合成容量などがよく計算されます。

また,キャパシタの電極間に比誘電率 εr の誘電体が挿入されている場合は真空における静電容量に加えて, εr 倍になります。誘電体は初めから分極しており,電圧の極性によって分極の向きを変える「強誘電体」をはじめ,圧力をかけて変形させると分極する「圧電体」や熱を加えると分極する「焦電体」などがあります。さらに,強誘電体は酸化物が対象となり,「ペロブスカイト構造」,「ビスマス層状構造」,「タングステン・ブロンズ構造」,「擬イルメナイト構造」,「パイロクロア構造」などに分類されます。ペロブスカイト構造に関しては,シリコン太陽電池に代わるペロブスカイト太陽電池やプラチナのリサイクルなどが注目されています。

この誘電体を電極間に挿入した際に起こる分極(正の電荷と負の電荷に分かれる:電荷の偏り)のことを「誘電分極」といいます。似たような現象に「静電誘導」があります。電極間に誘電体(絶縁体)を挿入した際の分極を「誘電分極」,電極間に導体を挿入した際の分極を静電誘導と考えると分かり易いかもしれないですね。

高専生時代は深く理解してこなかった電磁気学を改めて理解するのは楽しいですね!

誘電率や分極に関して詳しいリンクはこちら(Electrical Informationさん)

 


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