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2021年度第10回電制研ゼミ開催!
7/13の卒研の時間に,今年度の第10回電制研ゼミを行いました!
ちなみに,今回は第09回と共に2回分まとめて行いました!
今年度のゼミのテーマは「電磁気学」になります。川上は電気回路やパワーエレクトロニクスの範囲は講義担当してますが,電磁気学はかなり忘れている部分もあったため,今年度の卒研生にお願いしました。このゼミで内容を理解して,研究室webページの講義資料の追加ができればいいですね!
今年度は培風館の「電磁気学ー初めて学ぶ人のために」を元に資料を作成してくれました。電磁気学の名著に砂川重信先生の「理論電磁気学」があります。この理論電磁気学は初学者には薦められないのですが,砂川先生が初学者にむけた本が今回のゼミの書籍になります(ただしページ数は少ないのに内容はかなり濃い…)。
第10回目は峰山君!今回の発表は「マクスウェルの方程式」についてでした。遂に電磁気学の山場であるマクスウェル方程式まで来ました!
マクスウェル方程式は積分形と微分形の2通りがあり,積分形は線積分や面積分などを行う積分方程式,微分形は偏微分方程式となっています。微分形で表すと電磁場の発散(div)や回転(rot)といった時間的変化が視覚的に見えてくるのでこちらが使いやすいと思います。また,マクスウェル方程式からポアソン方程式やラプラス方程式といった静電ポテンシャル(電位)を求める問題などにも展開することができます。
マクスウェル方程式
- 電場に関するガウスの法則:∇・E = ρ / ε0
- ファラデーの電磁誘導の法則:∇×E = -∂B / ∂t
- 磁場に関するガウスの法則:∇・B = 0
- アンペールの法則:∇×B = μ0 j + ε0 μ0 ∂E / ∂t
それぞれの物理的意味に関しては教育系youtuberのヨビノリさんの動画を引用させていただきました!この人の動画は非常に分かり易くて川上もよく参考にしています。
ちなみに,3番目の「磁場に関するガウスの法則」では右辺が0になっています。1番目の「電場に関するガウスの法則」では右辺が0では無かったのは単電荷があるからです。これに相当するのが+の電荷をもつ陽子と-の電荷を持つ電子が別々に存在するからです。その一方で,単磁荷(モノポール)はいまだに発見されていません。N極とS極は常にセットなのもこのためです。棒磁石は色分けがされていますが,真ん中で切ったらN極とS極がセットの磁石が2個になってしまいます。もしもモノポールが見つかってしまったらマクスウェル方程式が書き換わりますし,全ての教科書において改訂版を出さないといけないかもしれません。ああ恐ろしい…
また,大学の先生が授業中に話していたのは,「マクスウェル方程式はローレンツ力を入れて完成する」ということを教えてくれました。実際に,wikipediaの電磁気学のページにも,「ローレンツ力とマクスウェル方程式は,電磁気学における最も基礎的な法則である」という記述があるぐらいです。マクスウェル方程式とローレンツ力は独立しており,マクスウェル方程式からローレンツ力は導出できないためです。このローレンツ力の方向を視覚的に見やすくしたのが「フレミングの左手の法則」であり,この逆として電磁誘導の法則を視覚的に見やすくしたのが「フレミングの右手の法則」になります。フレミングとファラデーがマクスウェルとローレンツの間を取り持っていたのか…
※ローレンツ(左手)←フレミング→ファラデー(右手)→マクスウェル
高専生時代は深く理解してこなかった電磁気学を改めて理解するのは楽しいですね!
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